エンダウメント投資戦略

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テクニカル分析による為替長期予想(2017年6月末基準)

GCIアセット・マネジメントのチーフFXストラテジスト・岩重竜宏による長期為替予想をお届けいたします。

 

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2017年 12月末    1ドル=117円

2018年   6月末    1ドル=110円

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1.はじめに

 

トランプラリーによって昨年のドル円相場は、年足ベースで下髭が長いという極めて珍しいパター ンを形成しましたが、陽線になるまでには至らず陰線で終わったこと、及び、オシレーターも50を 突破できていないことを根拠に、ドル買いシグナルとしては脆弱であり、当面は107円50銭 ~ 115円51銭のレンジ内での調整局面が長期化すると前回号(2017年4月10日号)で指摘しました。

 

実際、その後の三か月間のレンジは108円13銭 ~ 114円37銭となったことで、ここまで は予想通りの展開となっております。ただし、足元の状況は上値を窺う展開となっており、短期的に は前述のレンジの上限を突破する可能性もありそうです。それでは、テクニカル分析の見地から最も 可能性の高い今後のシナリオを検証して参りましょう。

 

2.長期の分析からは、脆弱なドル買いシグナル

 

まず、年足のチャート(4頁)から現在の状況を検証して参ります。 年足のチャートから読み取れることは、ダウ理論上は147円64銭を突破しない限り、 戦後の円高トレンドは継続するという事。

 

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ただし、アベノミクス以降、初めて20年移動平均線とゴ ールデンクロスしたことから上値トライに向かっております。しかしながら、オシレーターは現在4 5に位置しており、依然として50の突破を果たせていないことからドル買いシグナルとはなってお らず、また、丁度一年前には一時的ではあるものの100円を割り込んだことで20年移動平均線 (現在は107円20銭)よりも上での定着も果たせておりません。

 

以上のことから、年足のチャートが示唆するのは脆弱なドル買いシグナルという事になり、10年 後といった超長期の見通しとしては再び70円台の円高に向かう可能性が高いという事かと思われま す。ただし、アベノミクス以降のドルの高値である125円86銭を更新する場合には状況が一変す ることになります。すなわち、147円64銭を目指す一段のドル買いシグナルが発動されることに なります。

 

次に四半期足のチャートでありますが、こちらは赤丸で示した通り、戦後三回目のゴール デンクロスを形成しており、またオシレーターも辛うじて50よりも上をキープしていることから、 ドル買いシグナルを維持しております。

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ただし、過去二回は、二番天井が一番天井の突破に失敗しております。一回目はレーガノミクスの 高値である277円65銭を突破できないままプラザ合意を迎えており、その後は10年間でドルの 価値は三分の一になりました。また、二回目は147円64銭を突破できず135円20銭で黒田天井を形成して、その10年後には75円台への超円高となりました。

 

今回は三度目のトライとなりますが、125円86銭の突破に失敗すると同様に10年後には70 円割れに向かう蓋然性が高いという事かと思われます。何となれば、テクニカル分析の根幹の哲学は 「歴史は繰り返す」であります。 さて、次に月足のチャートでありますが、過去三十年の歴史の中で、現在は極めてユニー クな形状をしております。

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すなわち、過去三十年間の月足のチャートでデッドクロスは、赤丸で囲った通り過去四回 あり、今回で五回目となりますが、過去の四回と今回では著しくその形状が異なっていることが分か ります。 つまり、青の矢印で示した通り、今回のみ20ヶ月移動平均線を明確に切り返しており、また、今 回のみオシレーターも50を明確に突破して、いずれもドル買いシグナルへと転じております。

 

これ はまさにトランプラリーの破壊力であり、私どもアナリストにとっては過去の経験則が当てはまらな い驚愕のテールイベントでありました。 さは然りながら、このドル買いシグナルが強いかというと、冷静に分析すると脆弱であるという事 は歴然としております。すなわち、20ヶ月移動平均線は下降を継続しており、グランビルの法則に 抵触するという事です。

 

現在、20ヶ月移動平均線は110円78銭に位置しておりますが、過去半年間、この20ヶ月移 動平均線を明確に上放れするには至らず、纏わり付くようにして押し下げられているのが何よりの証 左となります。 ただし、足元の状況としては、今月に入ってから上放れに向かう兆候も出て来ており、今後数か月 の趨勢次第では125円86銭を目指す可能性もゼロとは言い切れません。しかしながら、そもそも 今回のパターンが過去三十年の中で特異な現象という点を考慮すると、125円86銭の突破は統計 学上かなり稀なケースとなります。

 

したがって、通常、私どもアナリストは125円86銭の突破をメインシナリオに据えるような事 は致しません。ただ、もしこれが実現するようであれば、「故に、歴史的な大転換」とも言えるかも 知れません。

 

3.短期的には上値トライを示唆

 

以上のように、年足から月足までの長期の分析ではドル買いシグナルは脆弱であるという事が結論 であります。ところが、これが週足と日足の短期の分析となると状況は一変します。 まず、週足のチャートは、トランプラリーで嘗てのヘッド・アンド・ショルダー・トップ (S-H-S TOP)のネックラインが位置していた118円台でブロックされて、一旦は108円13銭 まで跳ね返されておりますが、足元は再びドル買いシグナルとなっており、ネックラインの明確な切 り返しを再度窺う展開が予想されます。

 

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一方、日足のチャートは、今年に入ってからのドル下落局面で、嘗てのダブルボトムのネ ックラインが位置していた107円50銭をホールドして、足元はドル買いシグナルとなっており、 満を持しての上値トライとなっております。

 

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しかしながら、上値トライが容易かというと決してそうではありません。週足のチャートに見られ るような(S-H-S TOP)のネックラインの延長線上は、その後に渡っても強いレジスタンスとして作 用し続ける傾向があります。 また、これを突破しても120円 ~ 121円69銭(マイナス金利導入直後の高値)に掛けても レジスタンスが存在しており、125円86銭を実際にトライするまでには幾多の困難が待ち構えて おります。

 

したがって、最も可能性が高いシナリオとして考えられるのは、118円66銭の突破に一時的に 成功しても120円台での滞空時間は極めて短いというパターンかと思われます。そして、その後は 20ヶ月移動平均線が位置する110円台に向けて緩やかに下落する可能性が高く、達観して言うな らば、結果的にほとんどの期間は108円13銭 ~ 118円66銭のレンジ内で費やされて、レン ジの外に留まるのは極めて短期間という事かと思われます。

 

4.まとめ

 

私見によれば、ドル円相場は5割程度の確率で向こう半年以上も108円13銭 ~ 118円66 銭を中心とするレンジ内でのボックス相場になると予想します。また、118円66銭を本格的に突 破するような円安進行の可能性も3割程度は想定されますが、この場合でも120円に滞空するのは 一時的で極めて短期間と予想されます。

 

一方で、108円13銭を突破するような円高の可能性も2 割程度は想定されますが、今年度中に100円を割り込む可能性は極めて低いテールリスクと考えら れます。

 

以上

 

<ディスクレーマー

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