エンダウメント投資戦略

世界最先端の投資戦略について解説します!

SECの13Fレポートから見る米国エンダウメントのポジション

米国では1億ドル(約112億円)超の運用資産を保有する機関投資家は、四半期ごとにSEC(米国証券取引委員会)に13Fと呼ばれる上場金融資産の保有明細を提出しなければなりません。ここで言う機関投資家とは、銀行、証券会社、年金、投資顧問などがその対象で、エンダウメントもその中に含まれます。

 

さて、このレポートは四半期末から45日以内に提出が義務付けられていますので、ちょうど5月の今頃が提出期限で、その内容が公表されています。

(興味深いことに、このレポートはSECに提出義務があるのですが、その内容についてSECは ”The Securities and Exchange Commission has not necessarily reviewed the information in this filing and has not determined if it is accurate and complete. The reader should not assume that the information is accurate and complete.”(=SECは提出内容を確認する必要はなく、正確性や完全性を担保するものではありません。読者においてもその点をご理解ください。)と述べています。)

http://bit.ly/2pIz8dz

 

このレポートを元に、全米3大エンダウメントの上場有価証券の取引動向を観察してみましょう。以下は、前四半期末と比べた保有残高のトップ5銘柄です。

 

<ハーバード:保有株数/前期末比増減/保有残高(単位:千ドル)>

① iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond Fund (HYG)

  9,580,700  +8,064,300  $840,994
② iShares MSCI EAFE Index Fund (EFA) Call

  4,000,000 +4,000,000  $249,160
③ iShares MSCI Emerging Markets Index Fund (EEM) Call

  6,300,000 +6,300,000  $248,157
④ iShares Inc. MSCI South Korea Capped Index Fund (EWY)

     582,977  -301,805  $36,069
⑤ iShares Trust - Core S&P 500 Exchange Traded Fund (IVV)

   91,175  -29,094  $21,633

 

テキサス州立>

① WILLIAMS PARTNERS LP      172,732  UNCH   $7,053
② AEGLEA BIOTHERAPEUTICS INC    524,929  UNCH  $3,911
③ VANGUARD FTSE DEV MKTS (VEA)     91,075  -4,844  $3,579
④ VANGUARD MID CAP VALUE ETF (VOE)  32,308 -1,791 $3,293
⑤ VANGUARD 500 INDEX FUND (VOO)  15,167 -841 $3,281


<イェール>


① Vanguard FTSE Emerging Markets Exchange Traded Fund

8,689,600  -3,756,000  $ 345,151

② Antero Resources Corp. 

3,988,487 $   +1,668,436  $ 90,977

③ iShares Inc. MSCI South Korea Capped Index Fund  

829,000  -450,000 $ 51,290

④ iShares MSCI EAFE Index Fund 100,000 -174,000 $ 6,229
⑤ Apptio Inc  100,611  100,611  $ 1,180

 

ざっと俯瞰すると、

 

ハーバード大学はこの年初からの3か月で米国ハイ・イールド債券を7億ドル超買い増し、米国を除く株式のオプションを購入する一方で、韓国株と米国大型株へのアロケーションを減らしています。

 

テキサス州立はポジションにほとんど変更はなく、「我、動じず」といった感じでしょうか。

 

イェールは韓国株やエマージング国株を大幅に減らし、エネルギー株やIT株(個別銘柄)を買い増すといった投資行動です。

 

このポートフォリオの状況を見て、エンダウメント全体の投資行動がわかるというわけではありませんが、各エンダウメントがどのようなアロケーションでリターンをとっていこうとしているかはおぼろげながら見えてきます。

 

それにしても、これらトップエンダウメントが主要投資対象資産に対する投資を、ETFを使って実施していることに驚かされます。

コストをかける運用戦略と、コストをかけずに着実に果実を得ようとする戦略がはっきり分かれていて、エンダウメントの運用手法が今後の運用戦略の主流となることが予見されます。

 

 

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