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エンダウメント投資戦略

世界最先端の投資戦略について解説します!

テクニカル分析による為替長期予想(2014年3月末基準)

GCIアセット・マネジメントのチーフFXストラテジスト・岩重竜宏による長期為替予想をお届けいたします。

 

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2017年 9月末 110円

2018年 3月末 110円

 

1.はじめに

昨年のドル円相場は、トランプラリーによって年足ベースで極めて珍しいパターンを形成しました。すなわち、下髭が長いパターンでありますが、ニクソンショック以降の46年間の歴史の中でも確認されるのは僅か数回と極めて稀で、下髭の陽線に至っては1995年の一回のみでドル円相場では滅多に起こらない現象であったかと思われます。


したがって、これを如何に解釈すべきかという点で多くの市場参加者が困惑し、相場見通しを策定するにあたってプロのアナリストの間でも見解が大きく割れたのも当然かと思われます。それでは、テクニカル分析の見地から最も可能性の高い今後のシナリオを検証して参りましょう。

 

2.年足からは脆弱なドル買いシグナルも最終的には円高

前回(2017年1月10日号)の当レポートで指摘したのは、以下の点でした。
すなわち、年足のチャート(4頁)から読み取れることは、トランプラリーによって下髭が長くなり終値ベースでは20年移動平均線を上回ったことから、一義的にはアベノミクス以降のドル買いシグナルを維持したという事。ただし、陽線にまでは至らず陰線のままで終値を迎えたこと、及び、オシレーターではアベノミクスを通じて50の突破を果たせていないことから、脆弱なドル買いシグナルという評価が妥当であるという事でした。

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さらに、月足のチャートでは、125円86銭から99円に円高が進む過程で20ヶ月移動平均線とのデッドクロスおよびオシレーターの50割れにより、一旦はドル売りシグナルが完成していた事から125円86銭への全戻しに向けた一段のドル上昇がそう簡単ではないという点も指摘しました。

 

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また、週足のチャートではヘッド・アンド・ショルダー・トップ(S-H-S TOP)が完成しており、トランプラリー以降のドルの高値である118円66銭はネックラインへのプルバックとしてジャスト・オン・ライン止まりの可能性もあるという事でした。

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結論としては、トランプラリーによって年足としては極めて珍しいパターンを形成したものの、ドル買いシグナルとしては脆弱であり、125円86銭への全戻しは容易ではないという事でした。

 

ただし、月足のチャートでは20ヶ月移動平均線は下降を継続しているものの、突破により一応はゴールデンクロスを形成し、併せてオシレーターも57を回復したことでドル買いシグナルに転じていることから、足元のドル上昇の勢いがあっけなく雲散霧消する可能性も低く、トランプラリーの発射台である105円への回帰にもそれなりの時間を要します。


また、やはり月足のチャートの20ヶ月移動平均線は下降を継続していることから不完全なゴールデンクロスであり、結果的に足元のドル買いシグナルはトラップに終わる可能の方が高く、時間は掛かるものの最終的には発射台である105円を目指すことになります。


以上が、前回号で指摘した点でありますが、年明け以降の三ヶ月間は想定以上に上値が重く、現時点までのドルの安値である110円11銭までほぼ一方的に円高が進んでおります。


3.長期的なボックス相場を形成へ

一方、日足のチャートに目を転じると、足元はドル売りシグナルとなっておりますが107円50銭には嘗てのダブルボトムのネックラインが控えており、これを割り込むのは容易ではありません。また、その近くには、トランプラリーのレンジ(101円20銭から118円66銭)の61.8%フィボナッチ戻しである107円87銭も位置していることから、107円台後半は比較的強いサポートとなっております。

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勿論、107円50銭をあっさりと割り込むようであれば、トランプラリーはご破算となり、為替相場の極端から極端に振れるという性質を勘案すると、一気に100円割れトライに向かう可能性もゼロではありません。

ただし、向こう数カ月という時間軸で言うならば、確率的にはメインシナリオというよりもリスクシナリオに仕分けされるのが妥当かと思われます。

 

それではメインシナリオに相応しい展開とは如何なるものかと言うと、107円50銭 ~ 115円51銭のレンジ内での膠着相場であります。

 

月足のチャートから読み取れる現在の状況は、まさにニュートラルです。118円66銭まで上昇する過程でゴールデンクロスを形成しましたが、その後あっさりと現在112円06銭に位置する20ヶ月移動平均線を割り込んだことから、ドル買いシグナルは一時的なトラップに終わっております。

 

さらに、オシレーターも丁度50に位置しており、こちらもニュートラルです。

したがって、月足のチャートからは明確なシグナルは発せられず、20ヶ月移動平均線を挟んだ水準でのかなり長期の調整局面に移行する可能性が最も高くなっております。
また、週足のチャートではヘッド・アンド・ショルダー・トップ(S-H-S TOP)の完成が辛うじて維持された可能性もありますが、一時的にもネックラインを切り返したということは、ドル売りシグナルとしては脆弱であり、こちらのオシレーターも48とほぼニュートラルになっております。


日足のチャートからは115円台の上値の重さが確認されますが、そもそも115円50銭近辺は昨年のマイナス金利導入時にヘッド・アンド・ショルダー・トップ(S-H-S TOP)のネックラインが位置していた水準であり、現在はマイナーなレジスタンスとして作用し始めた可能性もあります。

 

また、足元では110円の突破に梃子摺っておりますが、仮にこれを突破したとしても前述のように107円台後半にはサポートが控えております。

 

結論として、今後の展開として最も可能性が高いのは107円50銭 ~ 115円51銭のレンジ内での調整局面の長期化であり、このレンジ内を長期に渡って何往復もする展開が予想されます。


4.まとめ

私見によれば、ドル円相場は6割程度の確率で向こう半年以上も107円50銭 ~ 115円51銭のレンジ内でのボックス相場になると予想します。また、100円割れに向かう大幅な円高の可能性も3割程度は想定されますが、一方で118円66銭を突破するような円安進行の可能性は1割以下の可能性に止まると予想します。
                      

                                     以上
 

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株式会社GCIアセット・マネジメント
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第436号
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