ミシガン大学エンダウメントは、約1兆1000億円の運用資産を保有する全米有数のエンダウメントです。
その資産配分の特徴は、オルタナティブ投資にかなり積極的に運用することです。下図はそのアローケーションのグラフですが、オルタナティブ資産への資産配分は全体の3分の2程度を占めています。
同投資の内訳は絶対リターン戦略が21%、ベンチャーキャピタルが14%弱、未公開株(PE)が13%、不動産が9%、天然資源が7%となっています。
さて今回は、この中の不動産部分で運用資産を増やすということですが、非伝統的な不動産に投資するということです。
すなわち、「駐車場」、「高齢者専用住宅」、「介護付き住宅」や「借地住宅」といった、従来のオフィスビルや賃貸アパートといった伝統的な不動産物件とは異なる不動産です。
また、別のトランシェでは、「学生アパート」、「医療オフィスビル」、「トランクルーム」にも運用します。
不動産投資は家賃収入と物件の値上り益が収益の源泉になりますが、長期運用で果実をとっていく方針に変わりはありません。
ミシガン大学の運用方針は、
1.長期運用
4.外部運用マネージャーの厳格な選択
5.エンダウメントは非課税運用投資主体であるため、常にトータルリターンを意識
6.運用資産からの分配水準は、株式投資の実質リターンをベースにして、エンダウメントからの支出から切り離した数値を産出。(過剰な分配を行わない)
(ミシガン大学エンダウメントの運用報告書はこちら → https://publicaffairs.vpcomm.umich.edu/wp-content/uploads/sites/19/2016/12/2016-Endowment-Profile.pdf)
というものです。
ミシガン大学が、不動産投資の中でもサテライト的な非伝統的不動産に投資できるのも、確固とした運用方針が存在するからでしょう。