読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

エンダウメント投資戦略

世界最先端の投資戦略について解説します!

GCIアセット・マネジメント・ チーフFXストラテジスト 岩重竜宏の長期為替テクニカル分析(2017年1月号)

             2017年 3月末 125円

             2017年 9月末 105円

 

1.はじめに


昨年のドル円相場は、1月のマイナス金利導入以降、一貫して円高トレンドを形成しておりましたが、最後の二ヶ月間でドルが急反発してほぼ全戻しになるという、極めて珍しいパターンを形成しました。年足(4頁)で確認してもこれほど下髭が長いパターンというのは稀で、前回出現したのは1995年以来であり、ドル円相場では滅多に起こらない現象であったと言えるかと思われます。

したがって、多くの市場参加者が困惑し、来年の相場見通しを策定するにあたって大変な困難に直面しているのも当然かと思われます。それでは、テクニカル分析の見地から最も可能性の高いシナリオを検証して参りましょう。

 

2.年足からは脆弱なドル買いシグナル

 

アベノミクス以降、当レポートで繰り返し指摘して来たのは、以下の点でした。
すなわち、戦後の円高トレンドは1998年のドルの高値147円64銭を突破しない限り、ダウ理論上は完結しないこと。アベノミクスによって2014年に戦後初めて年足ベースでのゴールデンクロスを実現したことから、147円64銭をトライする可能性は発生したこと。ただし、マイナス金利導入以降の円高により、アベノミクスによってもたらされた円安トレンドは125円86銭までで一旦完結した、ということでした。

そして、さらに前回号(2016年9月26日号)では、2016年の大晦日の終値が20年移動平均線の位置する107円23銭よりも上か、下になるのかが非常に重要で、大晦日の終値が20年移動平均線を大幅に下回った場合、年足ベースでもドル売りシグナルが確定するので、いよいよ数年後の超円高を本格的に覚悟する必要が出て来ると指摘しました。

ところが、実際の大晦日(最終営業日)の終値は、20年移動平均線を10円近くも上回る116円96銭となったことから、数年後の超円高は杞憂に終わっております。
ただし、こうした事と、すわ上値トライに向かうかは別の問題であります。

 

すなわち、年足のチャート(4頁)が示唆する事は、年初の寄り付き120円30銭を回復するには至らなかったことから、一年を通じては陰線のままで終わったこと。また、RSIも46に留まっており、50を突破できずにいることからドル買いシグナルとしては不完全なままであること。しかしながら、下髭が極めて長くなったことから、昨年のドルの高値121円69銭をトライする可能性は充分にあるということになります。
つまり、年足から言える事は、数年後の極端な円高は回避され、辛うじてドル買いシグナルは維持したものの、147円64銭のトライに向かえるほどの磐石さはないという事になります。

 

3.125円86銭の突破は容易ではない

 

次に月足のチャート(6頁)に目を転じると、一段のドル上昇がそう簡単ではないことが読み取れます。すなわち、20ヶ月移動平均線(現在113円86銭に位置)は下降を継続していることからドル買いシグナルとしてはトラップに終わる可能性が高いということです。

しかしながら、月足のRSIは57まで急反発して来ていることから、仮にドル買いシグナルがトラップであったとしても一定期間は上値トライに費やされる可能性が高く、足元のドル上昇の勢いがあっけなく雲散霧消する可能性は低いかと思われます。

したがって、当面はドルの堅調地合が維持されるものの、実際にはアベノミクス以降のドルの高値125円86銭を突破すること、或いは、一時的な突破には成功してもこれよりも上で定着するという事は容易でないと考えられます。

当面のシナリオとして最も可能性が高いのは、昨年の高値121円69銭の突破には成功するものの125円86銭の突破には失敗し、その後の何らかのリスクオフを契機に20ヶ月移動平均線が位置する113円へ向けてあっさりとドルが急反落するということかと思われます。

その他のシナリオとしては、125円86銭を突破してこれよりも上での定着にも成功する場合が考えられますが、このケースでは、125円86銭と99円の値幅26円86銭の38.2%にあたる10円26銭を125円86銭に加えた136円12銭を目指す一段のドル買いシグナルが発動されることになります。

136円12銭を目指ケースはリスク・シナリオとして想定されますが、足元のドルの堅調さとは裏腹に可能性としては余り高くないと予想されます。

 

ところで、メイン・シナリオとしては、125円86銭のトライに失敗して113円へ向けた円高になるということですが、仮にこれが的中した場合、その後はどのような推移を辿るのでしょうか。

 

125円86銭のトライに失敗した後に113円まで下落する場合は、月足のチャート上では再びドル売りシグナルとなることから、20年移動平均線が位置する107円台に容易にドルは下落すると予想されます。ただし、一気に100円割れを目指すような強いドル売りシグナルとなるかは、現時点では予測不能であります。

 

4.まとめ

 

私見によれば、ドル円相場は向こう数ヶ月以内に125円近辺に到達するものの、その後は円高に転じて9月末頃には105円に位置しているというシナリオをメインとし、136円を目指す一段のドル上昇シナリオをリスク・シナリオとします。

 

確率的には、メインが7割で、リスク・シナリオは2割程度かと思われます。
なお、上値トライには一切向かわずに、現在107円23銭に位置する20年移動平均線を割り込む場合は、前述のシナリオは全て破棄されます。
 

                                    以上

 

f:id:Endowment:20170111171135p:plain

 

f:id:Endowment:20170111171213p:plain

 

f:id:Endowment:20170111171255p:plain

 

f:id:Endowment:20170111171342p:plain

 

本資料で提供している情報は信頼できると考える筋から得たものですが、掲載された情報の完全性あるいは正確性を保証するものではありません。見解や評価は記載時点での判断であり、予告なしに変更されることがあります。過去のパフォーマンスは、将来における結果を示唆するものではありません。本資料はいかなる金融商品についても、その売買に関する申し出あるいは勧誘を意図したものではありません。本資料に掲載されている証券、金融商品、あるいは投資戦略は全ての投資家に適合するとは限りません。本資料に掲載されている見解や推奨は各投資家の状況、目標、あるいはニーズを考慮したものではなく、特定の投資家に対し、特定の証券、金融商品、あるいは投資戦略を薦めるものではありません。本資料の受領にあたり、本資料に掲載されている証券または金融商品に関する判断は投資家ご自身でなさるようお願いいたします。各指数に関する著作権等の知的財産、その他一切の権利は、各々の開発元または公表元に帰属します。

本資料および本資料で提供している情報は、同意なしに再版、転載、販売および再配布することを禁じます。

<ご留意事項>
  • 当ページは、株式会社GCIアセット・マネジメント(以下「当社」といいます)が、情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示資料(目論見書)や販売用資料等ではありません。
  • 当資料記載のデータや見通し等は、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません
  • 当資料記載のデータや見通し等は、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
  • 当資料は、信頼できると考えられる情報をもとに作成しておりますが、正確性、適時性を保証するものではありません。
  • 当資料の内容は、作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
  • 当資料に記載されている個別の銘柄・企業名については、参考として記載されたものであり、その銘柄または企業の株式等の売買を推奨するものではありません。
  • 各指数に関する著作権等の知的財産、その他一切の権利は、各々の開発元または公表元に帰属します。
  • 当資料に関する一切の権利は、引用部分を除き当社に属し、いかなる目的であれ当資料の一部または全部の無断での使用・複製はできません。
株式会社GCIアセット・マネジメント
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第436号
一般社団法人日本投資顧問業協会加入
一般社団法人投資信託協会加入
http://www.gci.jp/