ヘッジファンド調査会社・Preqinによれば、ここ10年間で農業・農地に対する投資残高が増えているということです。こうした土地投資、数千年前から存在するオルタナティブ投資の代表格と言えるでしょう。
ファンド形式による農地投資への投資額は、過去10年間で約2.5兆円程度、ファンド数で100本程度が設定されています。
直近3年では、2013年には約2000億円、2014年には約4300億円、2015年は4200億円程度の資金を集めています。2016年の数字はまだ発表されていませんが、約50本のファンドが資金を集めています。
その投資対象地域を見ると、2011年からの累積では約35%が北米の農地となり、2016年に募集中の案件でも、約33%が北米案件ということです。
その中のひとつのファンド、TIAA-CREF Global Agriculture IIの主要な投資対象(農地)は北米、オーストラリア、ブラジル、チリ、ニュージーランドとなっています。
TIAA-CREFの農地ファンドの投資方針はこちらのホームページで確認してみてください。
https://www.tiaa.org/public/assetmanagement/strategies/alternatives/agriculture
また、下図は農業関連ファンドのリーグテーブルとなります。
http://www.allaboutalpha.com/blog/wp-content/uploads/2016/11/leaguetable.jpg
さて、ではこうした農業・農地投資に対する投資家はいったい誰なのでしょう。Preqinによれば、公的年金(約20%)、エンダウメント(14%)、一般財団基金(12%)、私的年金(12%)となっています。
また、一部のプライベート・エクイティや実物投資ファンドからも資金が拠出され、全体の6%がそれら投資家からの資金で運用されています。
パフォーマンスに関しては、ファンドによってまちまちですが、中には伝統的資産を上回っているファンドがあるのも特徴です。
このように、日本では農地や農業が投資対象とは認識されていませんが、グローバルなオルタナティブ投資の世界では、確固とした資産クラスとして認識されているのです。
参照:https://www.preqin.com/docs/reports/Preqin-Special-Report-Agriculture-September-2016.pdf