ヘッジファンドは米国が発祥の地と言うだけあって、様々な運用会社が多数の戦略で巨額な資金を運用しています。
さはさりながら、日本においてはどれくらいの資金がどのように運用されているかという情報はあまり有ありません。
そこで、本日はヘッジファンドのデータ会社であるPrequinから、その実態を探っていくことにしましょう。
1.米国ヘッジファンド業界の全体像
全世界ベースでのヘッジファンドの運資産総額は約320兆円程度と言われている。その72%(約230兆円)を米国ヘッジファンドが運用している。(2016年6月末)
主たる投資家は年金、エンダウメント、ファミリーオフィス、保険会社、SWFなどである。
2.米国ヘッジファンドの所在地トップ5
純資産総額ベースの州別ヘッジファンドのシェアは次の通り。
①ニューヨーク州 51%
②コネチカット州 13%
③イリノイ州 8%
④カリフォルニア州/ペンシルバニア州/マサチューセッツ州 それぞれ5%
ほとんどが東部に集中しているイメージ。
3.州別の機関投資家数/運用会社数/純資産総額/ヘッジファンドへの投資割合 トップ5(純資産総額基準)
①ニューヨーク州 544/1322/約113兆円/17.7%
②コネチカット州 101/234/約34兆円/14.5%
③カリフォルニア州 341/500/約23兆円/14.4%
④マサチューセッツ州 206/191/約22兆円/11.0%
⑤イリノイ州 183/200/約11兆円/11.8%
4.在ニューヨーク州ヘッジファンドの運用戦略と投資家層トップ5
<運用戦略>
①株式ロングショート(含むロングオンリー)42%
②イベントドリブン 18%
③クレジット戦略 12%
④マルチ・ストラテジー 10%
⑤相対価値戦略 7%
<顧客層>
①ファンド・オブ・ヘッジファンド 27%
②基金/エンダウメント 25%
③企業年金 12%
④ファミリーオフィス 12%
⑤Wealth Manager 5%
<ニューヨーク州最大の投資家トップ3/推定運用額>
①New York State Common Retirement Fund 約6200億円
②Citi Private Bank 約5900億円
③AIG 約5400億円
<ニューヨーク州最大の運用会社トップ3/純資産総額>
①Och-Ziff Capital Management 約4.1兆円
②Renaissance Technologies 約3.7兆円
③Millennium Management 約3.5兆円
<引用参考情報>
https://www.preqin.com/docs/reports/Preqin-Special-Report-Hedge-Funds-in-the-US-October-2016.pdf
いかがだったでしょう。
米国では、ヘッジファンドが資産運用の一環として、しっかり根付いているのが分かりますね。