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エンダウメント投資戦略

世界最先端の投資戦略について解説します!

Projection biasとBrexit

英国の国民投票EU離脱が決定され、市場は一瞬混乱を極めました。
その中で、1日で10%以上の収益を上げたヘッジファンドの報道が散見されます。

ウォールストリート・ジャーナルによれば、勝ち組はモデル運用に徹したマネージド・フューチャー系のファンドで、負け組みはポートフォリオ・マネジャー個人の判断に頼ったファンドが多いとのことです。
http://www.wsj.com/articles/in-brexit-trading-machine-beats-man-1467158146


さて、なぜ今回、そのようなモデル運用が上手くいき、人智に頼った運用が負けたのかを考える上で知っておくべきことがあります。

 

それは、projection biasという考え方です。

Projection biasとは、行動経済学(behavioral economics)の分野で「現在の状態が将来も続くと考えてしまう考え方の偏り」と規定されています。

これを英国の国民投票の投票者の心理で考えると、

残留派(vote to remain)は「現状を変えたくない」という意思が働くとともに、「(何をやっても)現状は変わらない」と考えて残留に投票したと考えられます。

離脱派(vote to leave)は「現状を変えたい」という意思はあったのですが、「どうせ何をやっても変わらないんだから、離脱にしとくか」という物見遊山的な投票だったとも考えられます。

離脱派のなかに“だまされた”と感じている投票者がいるとともに、“こんなはずじゃあなかった”という投票者もいるのは、まさにこのことで、現状が否定されてパニックになっているのです。


むしろ離脱派が慌てふためいて、残留派がいさぎよく粛々と離脱手続きを進めている保守党の動きはまさに皮肉です。

今回勝ち組となったヘッジファンドは、結果的にこのprojection biasの逆張りを行ったファンドです。

残留」なら英ポンドは下がらない、英国株は下がらない。現状のポジションをキープしておけば、「残留」となったときに大損はしないといった発想です。

もちろん、ロングオンリーのファンドが国民投票の結果を予想してショート・ポジションを張るなどはできないのですが、結果的に英ポンドのショート、または欧州株式のショートを張っていたヘッジファンドが大勝したということです。

 

1992年の欧州通貨危機の際、英ポンドが売り浴びせられERM(欧州通貨メカニズム)から離脱したのですが、状況的にはよく似ています。

projection biasに逆行して、その他大勢と異なるポジションで勝負すると大きな利益を得られる機会もある。そんな故事を、ジョージ・ソロスは24年前に教えてくれていたのです。

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