エンダウメント投資戦略

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議論を呼ぶ、米国エンダウメントの化石燃料銘柄に対する投資除外方針

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日本ではあまり話題になっていませんが、米国エンダウメント(大学基金)の運用資産クラスから、化石燃料銘柄(fossil fuel stocks:例えばExxonMobileとかChevronとか)を外そうという動きが見られるようになってきています。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1QgU9VN23JaNh2B0pb9eoHM5EMozsznaojpIulQuljDg/edit?usp=sharing

 

背景にあるのは、環境保護を念頭においた代替エネルギーへの転換と学校のイメージ向上があります。実際、一部の投資家にもFossil fuel divestment(化石燃料銘柄外し)といった考え方も浸透してきています。

 

ここで問題になっているのが、エンダウメント投資において斯かる銘柄を投資対象から外す必要があるのかという議論です。

例えば、米イリノイ州シカゴのシカゴ州立大学は州財政が厳しく、補助金が増えないため大学の財政は、エンダウメントやその運用収益で一部賄う必要があります。

chicago.suntimes.com

ところが、例えばExxonMobileとかChevronなどの化石燃料銘柄を投資対象から外すことで、ポートフォリオの運用成績が下降する傾向があるとの研究もあります。

加えて、当該銘柄を外すことにより代替銘柄を組入れるわけですが、そのトレーディングコストや管理コストを鑑みると、年間2~12%程度の運用収益を犠牲にしているという報告もあります。

 

議論は、「本来のFiduciary Dutyから考えれば、より高いリターンを上げて、エンダウメント資産を増やし、もって設備の充実や奨学金の拡充に当たるべきで、化石燃料銘柄を外すのは運用の本道から外れるのではないか」というものです。

 

筆者の過去の経験でも、組入対象銘柄に軍需産業や防衛関連企業を加えてもいいものか、というものがありました。結論的には、すでにそのときに米国のMutual Fundのセクター・ファンドの中に”Defense & Aerospace”というのがあり、問題なかろうということにはなりましたが、道徳的な懸念を示す同僚がいたことも事実です。

 

いずれにせよ、この化石燃料銘柄問題も、倫理観とFiduciary Dutyがどこで折り合いをつけるかというところに帰結します。

 

難しい問題です。

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