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エンダウメント投資戦略

世界最先端の投資戦略について解説します!

日経平均株価の日次リターン・ヒストグラムと新世界

 

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2016年に入ってボラティリティ(価格変動率)が高位に推移しています。ここまで変動が大きいと、一日あたり2~3% 動くのが当たり前のような感覚に陥ります。

実際、日経平均株価の一日あたりのリターンはどのくらいになっているのでしょう。

 

今日はちょっとヒストグラムを見てみましょう。期間は過去10年で、観測日は2289営業日です。(2006/2/9-2016/2/9)

 

      変動幅(%)

観測回数(日)

-12.0

-11.4

1

-11.4

-10.8

0

-10.8

-10.2

0

-10.2

-9.6

1

-9.6

-9.0

2

-9.0

-8.4

0

-8.4

-7.8

0

-7.8

-7.2

0

-7.2

-6.6

4

-6.6

-6.0

3

-6.0

-5.4

3

-5.4

-4.8

8

-4.8

-4.2

7

-4.2

-3.6

17

-3.6

-3.0

28

-3.0

-2.4

52

-2.4

-1.8

125

-1.8

-1.2

174

-1.2

-0.6

292

-0.6

0.0

434

0.0

0.6

413

0.6

1.2

303

1.2

1.8

205

1.8

2.4

99

2.4

3.0

55

3.0

3.6

28

3.6

4.2

13

4.2

4.8

8

4.8

5.4

6

5.4

6.0

2

6.0

6.6

2

6.6

7.2

0

7.2

7.8

2

7.8

8.4

0

8.4

9.0

0

9.0

9.6

0

9.6

10.2

1

10.2

10.8

0

10.8

11.4

0

11.4

12.0

0

12.0

12.6

0

12.6

13.2

0

13.2

13.8

0

13.8

14.4

1

14.4

15.0

0

15.0

15.6

0

15.6

16.2

0

16.2

16.8

0

16.8

17.4

0

17.4

18.0

0

 

 

意外です。

 

このヒストグラムの中央値(mean)はマイナス0.02%で、上図で言えばマイナス0.6%~0.0%の間の、標本数が一番多い(434日)ところに入ってきます。

 

毎日の株価が正規分布すると考えると、この中央値を基準として、上下3つの変動範囲分布を合計すると、全体の変動幅の約80%を占めることになります。

 

つまり、日経平均株価の日次変動はマイナス1.8%~プラス1.8%の間にほ-と-ん-ど収まってしまうということになります。

 

加えて、この標本の1標準偏差は1.6ですから、全体標本数の96%程度をカバーする2標準偏差である3.2を中央値に加減すると、上下3.2%からマイナス3.2%の間にほとんどの変動が収まるわけです。

 

ということは、火曜日の下落幅(マイナス5.4%)は、異例中の異例ということが言えますね。よほどのパニックだったのですね。その次の日も下がりましたから8%下がっています。

 

もっとも、2008年のリーマン・ショック、それに引き続いたギリシャ・ショックのときは、一日で11%下落したり、14%上昇したりすることもありましたから、5%程度の下げなんて大したことない、という見方も成り立ちます。ただそんなことは、10年に一回しか起こらないのですけどね。(5%以上下落したのは10年間で22日。平均すればほぼ1%=5カ月に1回、起こる確率。)

 

さて、このボラティリティ、今後は上がっていくのでしょうか、それとも落ち着いていくのでしょうか。これは筆者にも分かりませんが、足元の動きで判断するなら、市場や市場関係者は全世界的なパラダイムシフトーつまり、ありえるべきインフレなき世界へのシフトーを咀嚼出来ていないのかも知れません。

 

見えないものは恐ろしい、だから投げ売る・・・、と。

 

 

話は変わって、「未来永劫、全くインフレのない世界の金利」を考えてみましょう。インフレはない、期待インフレもないとなると、金利はどのように付ければいいのでしょう。金利は銀行の調達コストに利ざやを乗せたものです。調達コストはゼロとして(預金者のみなさんには申し訳ないですが)、利ざや=経費+儲け、を乗せたものが金利ですよね。ですので、少なくとも利ざや分はプラスの金利になるはずです。

 

調達コストがマイナスになっても、利ざやは乗せなければなりませんから、極論すれば調達コスト・マイナス1%、貸出金利マイナス0.5%もありえます。

 

預金者側から見れば、手数料を払って預金をするけれども(預金は目減りし)、住宅ローンを借りれば利息が返ってくるといったヘンテコな世界です。

 

これは金利をマイナスにするからこうなるのであって、金利がプラスであれば「預金をすれば利息がもらえて、ローンを借りれば利息を払う」という当たり前の世界になります。(今もギリギリそうです)

 

では、預金も貸し出しもマイナス金利が定着したした世界では、資産運用の常識はどうなるのでしょう。ズバリ、こうなります。

 

  • たんす預金をする。(利息が取られない。)
  • 借金をする。(利息が戻ってくる。)
  • レバレッジして借金をする。(とにかく自宅や車を担保に入れて借金をする。手数料をもらって財サービスを利用する発想。)
  • 金庫会社の株式が売れる。(たんす預金用の金庫が売れる。)
  • 倉庫会社の株式が売れる。(たんす預金用のトランクルームがヒットする。)
  • 借入過多な企業の株式が人気になる。(企業は借金して利息をもらえる。)
  • 「借金をする権利」を買う/売るというオプションが作られる。

 

などなど・・・。

 

 経済学の教科書やマネー本には正解が書かれていない現実の世界が、あと何年も続こうとしています。日本株が上がらなかったバブル崩壊後の25年が経過して、金利が付かない世界が登場しました。まさか、こうなるとは・・・。

 

状況はタフですが、資産運用に携わる金融人として、千載一隅の歴史の中にいることに喜びを感じます。

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金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第436号
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