エンダウメント投資戦略

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テクニカル分析による為替予想 <長文になりますが、少々お付き合いくださいね。>

<長文になりますが、少々お付き合いくださいね。>

2015年9月7日
テクニカル分析による為替予想  
株式会社GCIアセット・マネジメント チーフFXストラテジスト
岩重竜宏

2016年 3月末 130円00銭
2016年 9月末 131円84銭

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1.はじめに
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当レポートにて指摘してきたことは次の2点でした。すなわち、アベノミクス以降の急激な円安局面をもってしても、戦後360円から始まる円高トレンドは 147円64銭を突破しない限り、ダウ理論上は完結しないということ。しかしながら、アベノミクス以降のドル上昇トレンドは、これ自体は戦後最強であり、 向う数年以内に臨界点147円64銭をトライすることは不可避的であること。

そしてさらに、為替相場は歴史的に節目節目では政府によって管理される性質を持っていることから、2002年に当時は財務官であった黒田日銀総裁によって キャップされた135円20銭を巡る攻防戦が、臨界点147円64銭に向けての重要な前哨戦であり、実質的には、その時の長期金利を始めとするマクロ環境 が全てを決するとも指摘して参りました。

 

仮に、黒田天井135円20銭の突破に成功すると、それは市場が臨界点をチャレンジするとの決意を表明したことを意味し、さらに臨界点147円64銭の突 破がもたらすターゲットは何と360円と75円32銭の半値戻しにあたる217円であること。そうした局面では、当然、マクロ環境の劇的な変化も同時並行 で進むと予想されることから、この突破がもたらすものは戦後パラダイムの大転換であり、いわば、歴史的な転換点を象徴的に示す大イベントになり得るという ことでした。

 

ところが、今年に入ってからの値動きはと言うと、ルビコン124円14銭を突破後も125円台で一進一退を繰り返し、そしてついに8月24日には116円18銭までのドル暴落という興ざめと相成りました。
さて、それでは、現在でも臨界点147円64銭をトライする可能性はあると言えるのでしょうか。また、8月24日のドル暴落が今後の展開に与える影響とはどのようなもので、今後数年間のドル円相場の最も可能性の高いシナリオとはどうなるのでしょうか。


テクニカル分析の見地から検証することにしましょう。

 

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2.臨界点147円64銭を目指す長期的なドル買いシグナルは弱体化
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足元の状況は、過去三カ月間で形成したダブルトップ(125.86、120.41、125.28の3点で構成される)を完成しております。ここから導かれ るメジャーリング・オブジェクティブは115円50銭であり、116円18銭へのドル暴落の過程でほぼ達成しております。

 

実は、このドル暴落で特筆すべき現象が生じております。すなわち、アベノミクス以降の過去3年間で、週足ベースで初めてドル売りシグナルに転じております。(5ページの上段の週足を参照)
これが意味することは、早期に125円を回復することは困難であり、中期的に118円から12 1円近辺で調整せざるを得ないということであります。

ところで、別添グラフの四半期足および月足からは、ドル買いシグナルに特段の変化はないことが確認されることから、基本的にアベノミクス以降のドル上昇ト レンドに変化はなく、現在でも引き続き臨界点147円64銭を目指す長期的なドル買いシグナルは有効であると言えますが、週足で初めてドル売りシグナルが 出現したという事実は、モメンタムの減退を意味することから、一言で言うならば、「長期的なドル買いシグナルは弱体化した」ということになります。

 

ちなみに、日足ベースでは三角持合の上放れが確認できますが、三角持合の解釈は大きく二通りに分かれます。一つ目は、上放れてから快進撃が始まって比較的 順調に上値を更新するパターンであり、二つ目は、パラレル・オブジェクティブ・ラインと呼ばれる平行な2本の線の間を緩慢なペースでゆっくりと上昇するパ ターンであります。

今回のケースに当てはめて解説すると、当初は、順調に上値を更新して125円86銭まで上昇したことから、一つ目のパターンとして分類可能でした。ところ が、8月24日のドル暴落によってサポートラインすら一時は割り込んだことから、状況は一変しており、現在の最も可能性の高いシナリオは二つ目のパター ン、すなわち、平行な2本の線の間を緩慢なペースでゆっくりとドルが上昇するということになります。

 

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3.長期のドル買いシグナルは無傷なものの、135円のレジスタンスは一段と強化
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さはさりがら、20カ月移動平均線は現在113円22銭にあり、月足からの長期のドル買いシグナルは今のところ無傷なので、遅かれ早かれ再び上値トライに向かうと予想されます。

しかし、ここでもトラブル発生です。すなわち、先月の8月24日のドル暴落によって、実は13 5円台に新たなレジスタンスが出現しました。詳細は以下の通りです。
すなわち、8月24日のドル暴落以前の直近のドル高値は125円86銭でしたが、8月24日のドル暴落の安値が116円18銭なので、次回のドル上昇局面 で125円86銭を突破した時の一義的な上値の目途は、125円86銭と116円18銭の値幅の9円68銭を125円86銭に加えた135円54銭となり ます。(一対一のフィボナッチ上のターゲット)

 

テクニカル分析上の解釈としては、有力なレジスタンスが集中するポイントは威力が強化され、端的に言うと強くなるということになります。ところで、前述の 通り135円20銭には黒田天井が控えており、ただでさえ135円は強烈なレジスタンスであるにも拘らず、その上、そのご近所に強力な援軍が新たに出現し たということであります。

したがって、臨界点147円64銭の前哨戦である黒田天井135円20銭を巡る攻防戦は、一段と激化するということになりますが、端的に言うと、突破できる可能性は著しく低下したと言わざるを得ません。

 

なお、前述の125円86銭と116円18銭の値幅の9円68銭にフィボナッチ・レシオ61.8%を掛けると5円98銭となりますが、これを125円86銭に加えた131円84銭は有力なレジスタンスとなります。

仮に、黒田天井135円20銭のトライに失敗するとすれば、実際には131円84銭近辺までで失速する可能性が高いです。つまり、アベノミクスをもってし ても戦後の円高トレンドに終止符を打てないと仮定するならば、131円84銭はアベノミクス後のドルの高値として有力な候補であると指摘しておきます。

 

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4.まとめ
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私見によれば、足元、当面は120円前後での調整局面となるものの、緩やかなドル上昇トレンドを維持し、今年の年末までには125円86銭の突破を果たして来年の3月頃には130円に到達すると予想します。

その後もドル円相場は緩やかなドル上昇トレンドを維持して、来年の夏にはいよいよ黒田天井135円20銭を巡る攻防戦に突入すると予想しますが、これを突 破できる可能性は大幅に低下したことから、実際に臨界点147円64銭のトライに向かう可能性はメインシナリオからマイナーシナリオへと変更することと致 します。

すなわち、メインシナリオは来年のドルの高値を131円84銭と予想します。

なお、現在113円22銭に位置する20カ月移動平均線を割り込み、さらにこれよりも下で定着するようであれば、前述のドル上昇シナリオはいったん全て破棄されます。

                                                            以上

 

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